2012.02.15 Wednesday
立春の後もなお寒い今年。私は、仕事の場所を、従来の書斎コーナーにおさまりきらず、転々と変え、とうとう、いつ来客を通しても良いようにしておいた堀り炬燵のある和室に侵入してしまいました。必然的に机の周りは、書庫から運んだ資料をごたごた置くことになり)、やむなく別の机を近くに二つもってきて置いて、そこに多少は分類して並べて、足は掘り炬燵の中に入れたまま、手を伸ばせば必要なものに届くようにしました。ここまできてしまうと、来客にも、このまま、堀り炬燵をおすすめするしか方法はありません。炬燵の中まで本や資料は入って居ませんから・・・ 障子をあけると、この写真のとおり、冬枯れの、風情のない庭ですが、野鳥が飛んできて、巣箱や餌箱、餌台を覗いたり、つついたりしています。 まるで、古き時代の作家のような気分ですが、これで我が家は家じゅう、本や資料を取り散らかし、その隙間で生活をしているといった感じです。古書・専門書は、図書館に出向く時間的余裕もなくなり、Amazonで購入できるものは、即注文してしまうというスタイルに変わり、今はやりの断舎利?とかいう、おすすめのライフスタイルとは、ひたすら反対の方にむいて生きています。 アラゴンは66歳の時「・・・私はあれこれのことを書くために猶予を求めるつもりはない。・・・・・私自身は小説というものを、私が生きた世界がどんなものであったかを、もはや知りえない人々にたいして私が残しうる唯一の価値ある形見分けだと思っている」と、1934年作『バ―ゼルの鐘』の1965年版の序文で書いています。また序文の最後で、「そんなふうにして、どこまでも続けていくつもり?」と、エルザ・トリオレに言われ(正確には「言ったかのようであった」)、「だがもうすこし辛抱してくれよ、私の恋人、辛抱、辛抱・・・」と答えています(稲田三吉訳)。 私は、私自身に向けて、そうつぶやいています。 アラゴンは1982年没です。 |
| Clara Zetkin 関係 | 10:00 | - | - |
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