伊藤セツ研究BLOG

このブログは、当初は、勤め先の教員紹介に付属して作成されていたホームページ。定年退職後は、主に、教え子たちに、私の研究の継続状況を報告するブログに変えて月2-3回の更新。
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野生の庭の動くのを見て
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2週間もしないうちに、梅の花は早々と姿を消し、匂いも残しません。その根元で、新しい木の芽と雑草とがせめぎあって伸びています。近寄ってみるとこんなかわいい花がー。
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わが家の野生の庭は一日たりとも同じ顔をしていません。庭に面した机で仕事をするのは、ここに引っ越してきて30年で初めてのことなので、とても新鮮な気がします。

この2週間。私だって昨日の私だった日は一日とありません。何かがわかり、その先がわからなくなります。法政大の図書館に、「ドイツ帝国統計」を閲覧しに行きました。自宅のネットで、どの大学に何があるかを見ることができるのは助かります。首都大学東京にもあるのですが、でも本館にではありません。
本館なら旧教員の特典があるのですが、法政大の図書館は市民としての利用です。

ここに深入りするかどうかが考えどころです。何も原資料そのものからでなくとも、加工されているものからでもにいいだろうと思いますが、加工されているものが掲載されているはずの「ドイツ帝国統計年鑑」にたどりつけないのです。これも本館ではなく個別の学部の資料室に一部はあるらしい。

クラーラの時代の背景をジェンダー統計で把握しておきたいということが主目的ですが、それ以上に、新しい「ジェンダー史研究」の、理論と統計利用の仕方の批判をしておかなくてはと思ってのことです。

また一方、この2週間、クラーラの終焉を書くために1920年代から30年代のソ連が、当時ソ連を旅行した知識人にどう見えていたか、それはなぜかという問題へも手を出さざるをえず、思いがけない文献にも出くわしたり、教えていただいたり。それとの関連でクラーラの足跡で唯一行っていないコーカサス地方への思いが募ります。

あれこれ気の多いことで、冬に引き締めたはずの計画が、野生の庭の生命の躍動にあおられて、だんだんふくらんできてしまいます。4月はもう気の赴くままにいくことにします。
| 近況 | 00:35 | - | - |
わが家にも梅の木があった
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4月1日、昔の作家の仕事部屋のような掘りごたつの和室の机で、庭に向かって仕事をするようになって2カ月足らず。障子をあけて、さらにガラス戸をあけると、何といい匂い!
わが家にも梅の木があったのでした。丁度30年前、ここに引っ越した時、私はどさくさにまぎれて桃の木を植えたつもりだったのですが?そしてそのあと自分でも信じられないことですが、ろくに見もしなかったのです。
この木は、2月から芽ぶいていたのですが、野鳥たちがやってきて盛んに芽をついばんでいるようなので、芽は全部なくなってしまいそうと思っていたら3月末から白い花が咲き始めました。

ここは道路に面していなくて、手入れもしていないので、小さな野生の空間?柿の木に数年前から取り付けた巣箱にこのごろ四十雀が頻繁にやってきて中に入っていきます。もしかして住み着いてくれたのか?野ら猫かどこかの飼い猫かわからない猫もやってきてゆうゆうとこの小さな空間を歩き回り、たまった雨水などを飲んでいます。もちろん、うちのフー吉はわがもの顔に巡回して外から私の方をみて「ここから家に入れろ」と要求します。

雑草がものすごい勢いで、庭の土を揺るがしています。これからどういうことになるか恐ろしい。
いよいよ春4月です。もうわかっています。やるべきことは。

昨日、『ローザ・ルクセンブルク全集』第1巻(12000円、全16巻、御茶の水書房)を手にしました。この日本語全集刊行のどこが新しいかについては、興味のある人は「刊行のことば」や「あとがき」を読んでください。画期的企画と思います。私はこの第1巻で、ローザがポーランド語で書いた論稿を日本語ではじめて読むことができました。女性問題については関心がなかったといわれる、クラーラの親友でもあるローザが、ポーランド語で、女性・子どもの労働問題と保護について書いていたのです。
執筆中の私の原稿は、1892-1896年をあつかったこの第1巻でまた豊かにされるでしょう。

4月1日。よく晴れた日曜日。定年退職4年目の初日。ローザの全集第1巻を手にスタートです。
| 近況 | 10:17 | - | - |
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