2015.07.21 Tuesday
7月21日は雅子さんの納骨の日です。知らせをだいぶ前にいただきましたが「行かないからね」と連絡しました。 その時間の前に、私たちだけの「特別回線」で雅子さんと対話します。上の写真は、雅子さんが入院していた緩和ケア病棟のロビーにあった水槽です。雅子さんも、何度もここを通ったよね。 私はこの水槽の中の小さな魚の動き、小さな命を見つめていました。 「セツさんと、生きている私と最後に会ってから4か月近くたったね。『お別れ会』の時は約束を果たしてくれてありがとう。あのあとどうしてる?全然私は何も知らないよ。メールも電話も届かないもね。ブログも読めないし。今日私はいよいよ土に還るこれからの居場所、宇美、次郎、そして八郎、私の愛した3人が先に入っている場所に移るの。だけど、あなたが望んでいるように、『千の風』にもなるからね。 私と別れる最後の日、私の部屋でやっていた研究の進捗状況はどう?あなたの本の書評は確か4本くらい見せてもらったけど、3月中にあと何本か出るって言ってたでしょ。それ見せてもらわないでしまったけど、出たの?二刷りはどうした?それに、憲法9条はどうなった?」 雅子さん、私はあいかわらずの日々ですよ。あなたにメールも電話したいと思うことは何回もありました。研究は、面白いね。ずいぶんたくさん本を読んだよ。認識が深まるごとに、一度読んだ本をまた読み返すと、まるで別の発見がある。恐ろしいなあと思ってしまいます。今まで目はどこについていたの?って。朝顔が弦を伸ばすように、私の問題意識の弦も次々といろんなものに巻き付いて、だんだん上に行って「なるほどなあ」と思うことがあります。でも根が枯れないうちに、弦が行きどころなくなってごちゃごちゃにならないうちに、ちゃんと実をむすばなきゃね。 これまで考えもしなかった本にも手を出しました。Amazonで1円とか200円とかで売っている本を次々に発注して、たたでさえごたごたの書斎コーナーは、目も当てられないよ。勿論、発行時30円のが4000円で売っているのも買った。図書館に行く暇ないし、実物自分のものにしたかったから。今流行の「ダンシャリ」とかいう考えの反対を生きている! それらは一応、年表に入るものは、私のオリジナル年表の中で整理してある。頭に入れたものは、該当する章に急いで書きこまないと、すぐ消えてしまいそう。だから、章・節だてを細かくして並行して進行させている。 とにかく、これまでもそうでしたが、「一行でも一語でも前に進める」ということでやっています。そうすることで私は私になるのです。 この間の他の私の仕事、6月の日本科学者会議の全国女性シンポの実行委員長たる経験がどんなもので、どう成功させたか聞いてほしかったな。でもまあ成功したといえるし、あなたの「マコさんを支援する女子会」の友人たちも、札幌や弘前から来てくれましたよ。 そのあと、八王子の生涯教育センターの市民講座が7月に入っていたけど、それも、いろんな市民の人たちが来てくれて終わりました。あなたとよく話した地域での活動も丁寧な時間の積み重ねが大事なことを実感します。 それより、本の書評は、最後に出たものはやっと6月の末だから、ここに整理してみます。丁度良い機会だから。書評を書いてくださったみなさん、あなたが作ってくれた正誤表と見比べて書いてくださったのですよ。書いていただいた方には本当に申し訳なかった。私はものすごい時間泥棒をしたのではないかって。 ・水田珠枝、2014.04.18 書評 週刊『読書人』「50年の研究の集大成 可能な限り実像にせまる」 ・矢野 久、2014.11.30 書評 イギリス女性史研究会『女性とジェンダーの歴史』No.2:47-49. ・倉田 稔、2014.11.30 書評 同上:49-50 ・荒又重雄、2015.03.01 新刊紹介 昭和女子大学『学苑』No.893:86-87. ここまでは、雅子さん読んだよね。そのあと出たのは次の通り。 ・高田 実、2015.03.25 書評と紹介 『大原社会問題研究所紀要』No.677:61-63. ・掛川典子、2015.03.31 書評 『昭和女子大学女性文化研究所紀要』No.42:79-82. ・荒又重雄、2015.04.01 書評 『労働総研クォータリー』No.98:58-59. ・松丸和夫、2015.06.31 書評 『女性労働研究』No.59:152-155. 拙著の残部は、とても少なくなっているそうです。近く、二刷りに入ることを願っています。できたら報告するね。 ************************************ 次に戦争立法法案のことだけど。 まず下の写真と、声明を見て。この声明が読み上げられるとき、私はYと友人2人と国会前に居ました。 写真は戦争法案を特別委員会決定した7月15日。梅雨と台風のミックスした不気味な空。 連日の行動で人々が国会を包囲しています。この写真はその場にいた次女が写したもの。 声明文は、法案が衆議院を通過した7月16日、7時半ごろに国会包囲行動の中でだされたものです。 2万人以上の人がいたと思う。そのあと最近歓迎されている若者たちのSEALDs(シールズ:自由と民主主義のための学生緊急行動)の集会が始まったの。若い人たちが続々と湧くように集まって来て、この人たちを含めれば4万人くらいになるのではないかという感じです。若者のコールは、言葉も抑揚も新鮮ですごい!まねできません。 60年安保の時の札幌の学生デモや集会を思いだすね。 東京の本場、国会前に居るという臨場感は札幌とは異なった感情を引き起こします。 もっとも札幌でも、「戦争したくなくてふるえる」という名のデモが、19歳の女性の呼びかけで6月末から始まっているそうよ。 このやりきれなさの中で、若者の行動は希望ですね。 「戦争か平和か」の正念場のたたかいが日本中で繰り広げられています。 次は7月26日に、この「総がかり行動」で国会前に行くつもり。 「わかった。セツさん長いよ。一行でも一語でも前に進めたいんでしょ。やれる時間はあなただってもう、そう長くはないんだから。気を付けてね。またね・・・・。」 今日「マコさんを支援する女子会」の友人たち、たくさん行くって聞きました。じゃあね。 では、お言葉に甘えて、一行以上を書き進めることにしよう。 声 明
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