伊藤セツ研究BLOG

このブログは、当初は、勤め先の教員紹介に付属して作成されていたホームページ。定年退職後は、主に、教え子たちに、私の研究の継続状況を報告するブログに変えて月2-3回の更新。
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「戦争をさせない八王子市民集会」NO WAR!八王子アクション
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今日、11月14日、上記行動が、超党派でつくられている実行委員会主催で、八王子でもたれました。
5回目の行動でした。ロングラン街頭宣伝&署名は午前10時から始まりました。
午後は2時から3時半までアクション、4時からはピース・パレード。

私は11時から30分は「9条の会・八王子市内連絡会」の、12時から30分は「金八デモ」のボランティアとして、2度、チラシ配りと署名への誘導をやり、2時からのアクションでは、リレー・トークに「学者・文化人」として宣伝カーの上から5分間のスピーチ。
あいにくの雨の中、約300人が八王子駅北口に集まりました。
最後のピース・ウオークは54人で、いつもの「金八デモ」のコースを歩きました。
傘をさしての行動も、なぜかそう苦にはなりませんでした。

リレートークは10名ほどの人が入れ替わり立ち代わり、宣伝カーに、(私には転がり落ちそうにみえる)細い階段を上ってそれぞれの主張をするのです。私は、実行委員の男性2人がかりで、押し上げてもらったり、降ろしていただいたり!!

その内容は次の通りですが、雨の中での狭い宣伝カーで、原稿を置くことも見ることもままならないので、適当にアドリブ入れて、用意したほうは、とばしとばしやりました。ですからこの通り話したとは限りませんね。

5分ならこれで行けると思ったのに、もう少しのところで、タイムキーパーが「終わり」と合図するのでやっぱりオーバー!
でも最後をきちんと言わなければ意味がないので、大急ぎで言い終えました。

人のプレゼンテーションには、あれこれ文句を言うのに、自分が、自分で思った通りにやるということは、やはり難しい!
講演の時もそう思いますが、特に、市民の皆さんを前にやるのは、なかなかうまくいかないと、いつも思います。

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ご指名ありがとうございます。
 
私たちは、今、不幸にして、戦争を平和と平気で言い替ええ、国民の同意も得ないで外国にへつらい、都合の悪いことは、「つまびらかには」知らないとごまかし、立憲主義、民主主義、そして人権とは何かについては、SEALDsや高校生、中学生までが「民主主義ってなんだ!これだ!」と教えてあげているのに、見向きもしない最悪の人を首相にしてしまっています。
 
私は、60年安保世代で、40年間、大学の教員を勤めましたが、最後の10年ほどは、大学の運営にも関わり、文科省が次々に打ち出す新しい政策への対応に振り回され、都心の大学から八王子の我が家に帰ることもままならぬ生活をしていました。 
最近、人文社会科学系縮小政策が打ち出されましたが、私は社会科学系ですので、もう唖然です。
なぜこういう政策が出るのでしょうか。それは人文社会科学分野が、人間や社会の本質を深く考え、歴史や国際関係を理解し、社会現象を分析し、うそを見破る科学領域だからです。
 
実は私は、「見破れ、騙されるな」という言葉を教え子に残して大学を後にしました。「なりすまし詐欺の被害」対策のような言葉ですが、残念ながら、それが、最後に忘れてほしくない言葉でした
学閥、格差、各種ハラスメント、そして、今のような日本の状況では、社会科学の視点で「見破って、騙されない」ことが何より大切と思ったからです。
そしてこの言葉は、今の首相、今の政治状況にも当てはまります。
 
私は、研究者としては、クラーラ・ツェトキーンというドイツの女性運動家の研究をライフワークとしています。ビスマルクのドイツ帝国時代から、ヴァイマール共和国時代を生きて、ナチが政権を取った1933年に75歳で死んだ女性です。
 
彼女は、女性運動では、1910年、今は国連の日となっている国際女性デーの提案者であり、政治家としては、1919年に、殺されたローザ・ルクセンブルクの意志を継いでドイツ共産党に入党し、ヴァイマール共和国初期の1920年の国政選挙で立候補して当選し、ナチスが政権を取る前年1932830日、最年長議員の資格で国会開会演説をして、ナチス党の危険を暴露し、反ナチの統一戦線を呼びかけたことで、歴史に残る人物です。
 
ヒトラーのナチ党は、1932731日の選挙では、総議席数608名のうち、230席を占め、ヴァイマール政権与党3党のひとつドイツ社会民主党(反ナチ)は133席、野党の共産党は89席でした。
 
クラーラは、その時の演説で「目下の急務は、・・・すべての勤労者を統一戦線に結集させることである。この歴史的な絶対の必要時の前には、政党、組合、宗教、世界観がどんなに違ってもそれは妨げにならない。・・・勤労者みずからがファシズムに反対することこそ・・・たたかう統一戦線を決定するための緊急かつ不可欠の前提である」と強調したのです。
しかし、それは実現せず、その翌年、
19333月ナチ党は政権を取りました。
 
今、安倍政権は、あのときのナチ党を手本とあおいでいます。
 
戦後70年を、憲法を守り、戦争に反対し、民主主義と人権を尊重し、立憲主義を当然のこととして、ここまできた私たちは、あと戻りは許されないとの思いに駆られています。
 
私は、退職後八王子で、ボランティアをしたり、「金八デモ」に参加したりして新しい友人を得ましたが、最近、その一人一人と繋がって、これまでと異なった感触を得ています。
そしてその延長線上に、
919日の暴挙の後、何をなすべきかの方向が見える気がするのです。
 
「それってなんだ? これだ。」そう、今日のこの、「NO WAR! 八王子アクション」の感触です。

地方選や国政選挙で、一人一人が考え、クラーラ・ツェトキーンも言った、政党、組合、宗教、世界観の違いを超えて
まず「安倍政権はお断り」の候補者を当選させ、そしてみんなで連合して戦争法を廃止できる政府を作ること以外に道はない!

私はそのことを考えて今ここに立っています。

ご清聴ありがとうございました。
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終わってから何人かの方から、声をかけられました。
雨の中でよく聞いてくださったと感謝です。

 
 
| 市民運動 | 20:42 | - | - |
山川菊栄生誕125周年記念シンポジウム
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11月3日、山川菊栄記念会主催の上記シンポジウムにいってきました。生誕125年を記念する「山川菊栄が描いた歴史」をテーマにした催しでした。シンポジストやテーマは、上の写真で見えるでしょうか。

5年前、2010年11月3日にも、生誕120周年、没後30年を記念した「山川菊栄の現代的意義」というシンポジウムに参加して、そのことをブログに書きましたが、その時、私はまだ、クラーラ・ツェトキーン研究にかかり切っていたときです。

クラーラが手を離れた2013年から、向きを菊栄に移そうと思いながら、2014年3月まで、クラーラの拙著の正誤表作りで禁欲の日々。やっと3月末に、「かながわ女性センター」で開催されていた「山川菊栄展」にぎりぎりで飛び込みました。

研究の対象としてではありませんが、私はずっと山川菊栄のことが頭にありました。菊栄研究の第一人者、鈴木裕子氏が、1971年に、1920年代の山川菊栄について書いた早稲田大学文学部の卒論が、優秀論文に選ばれた記事も、出典も書かずに今も大事に取ってあり、1981年―1982年に出た最初の『山川菊栄集』は、すぐ全巻購入しました。

それから30年以上たって、山川菊栄記念会の努力で、菊栄の関する文献も豊富に整えられ、歴史的積み重ねの豊かな研究者も多く輩出し、新たな新装増補「菊栄集」も出されてすばらしい「別巻」に目を見張り、「かながわ女性センター」から「神奈川県立図書館」に移された菊栄文庫が利用可能になった段階で、私は、やっと私の視点から菊栄に深入りを始めました。
10月24日には、同図書館の「菊栄展」にも行ってきました。まだ「菊栄学習」の段階ですが、徐々に「菊栄研究」といえるものに高めていきたいと思っています。
これまで、「新しい研究」と呼んでいたのはこのことでした。

今日の「シンポジウム」への参加をその助走からの踏み出しにしたいと思っています。
私の事ですから、また長い時間がかかるでしょう。
しかし、まさか、クラーラの時のように50年というわけにはいきません。
もう学習・乱読時代が2年を過ぎようとしていますが、この先どうなることか、今のところわかりませんが。

昨日11月2日の「朝日新聞」夕刊から、音楽評論家・作詞家の湯川れい子さんの「人生の贈りもの」がはじまりました。
79歳の湯川さんのことばのなかに「・・・・砂時計みたいに、自分の残りの砂が見えるような気分がするものですから・・・・」というのがありました。
ぎくりとするほどの、ことばです。

「何だって。それは僕の方に当てはまる。20歳を過ぎちゃったんだよ。人間なら100歳過ぎだよ。残りの砂がもう空になりそうなんだけどな」といいたげな、わがやに一匹残ったかわいいフー吉の目と目があいました。

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| 山川菊栄関係 | 22:09 | - | - |
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